管理栄養士の宮田早苗です。フリーランスのフードライターとして、腸活や食物繊維にまつわる記事を書いています。
20代後半、私は慢性的な便秘に悩んでいました。サラダを増やそう、きのこを食べよう、海藻を意識しよう。わかってはいるのに続かない。そんな時期に始めた「朝1杯の青汁」が、気づけば10年近く続いています。
食物繊維を「食べる」のではなく「飲む」。たったこれだけの切り替えで、なぜ習慣が変わったのか。今日はその理由をお話しします。
日本人の食物繊維、思った以上に足りていない
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、成人の食物繊維目標量は1日あたり男性20〜22g、女性18g以上。生活習慣病予防の観点からは1日25g以上が理想的だとも記載されています。
一方、令和5年の国民健康・栄養調査によると、日本人の食物繊維摂取量の中央値は約17.3g。目標量にすら届いていない人が大半です。
厚生労働省のe-ヘルスネットでも、食物繊維の摂取不足が2型糖尿病や心筋梗塞のリスクと関連することが指摘されています。足りないと自覚している人は7割以上いるのに、実際に改善できている人は少ない。これが現実です。
「食べる」が続かないのは意志の問題じゃない
食物繊維を食事から十分に摂ろうとすると、1日350gの野菜が目安になります。小鉢にして5〜6皿分。毎食、野菜中心のメニューを組み立てる必要があります。
食物繊維不足の理由を調べた調査(プレミアムウォーター、2025年実施、n=4,177)では、結果がはっきり出ていました。
- 「忙しくて栄養が偏った食事になる」が59.9%で1位
- 「意識していない」が36.0%
- 「摂取方法がわからない」が20.4%
多くの人は「食べた方がいいのはわかっている。でも現実的に毎日は無理」という状態。意志が弱いのではなく、食べるという手段そのもののハードルが高すぎるんです。
「飲む」が続く3つの理由
私が「飲む食物繊維」を10年近く続けられているのには、はっきりした理由があります。
- 粉末を水や牛乳に溶かすだけなので調理がいらない。朝の支度の合間、1分で終わる
- 豆乳に混ぜたり、ヨーグルトに入れたり、味のアレンジが自在。飽きがこない
- 「歯を磨いたら1杯飲む」のように既存の習慣にくっつけるだけ。やる気に頼らないから続く
食物繊維を「食べる」は、毎回メニューを考える能動的な行動です。一方「飲む」は、一度ルーティンに組み込めば半自動で回る。この差は1週間では見えません。半年、1年と経ったときに大きく効いてきます。
もちろん、飲むだけで1日の目標量すべてをカバーできるわけではありません。公益財団法人長寿科学振興財団の解説にもある通り、水溶性と不溶性のバランスを考えると食事からの摂取も大切です。ただ、毎日3〜5g足りない分を「あと1杯」で埋められるなら、かなり現実的な選択肢になります。
具体的にどんな飲み物にどれくらい食物繊維が含まれているのか気になる方は、食物繊維が摂れるおすすめの飲み物をまとめたこちらの記事が参考になります。青汁や野菜ジュース、豆乳など9種類の飲み物が含有量つきで紹介されていて、自分に合うものを探しやすいです。
まとめ
食物繊維が足りていないことは、多くの人が自覚しています。問題は「わかっているけど続かない」こと。
「食べる」で解決しようとすると、調理・メニュー選び・買い物というハードルがつきまといます。「飲む」に切り替えるだけで、そのハードルはほぼなくなる。
完璧な食生活じゃなくていい。まずは朝の1杯から始めてみてください。
最終更新日 2026年6月16日 by ichikk







