ドラッグストアで登録販売者をしている佐伯まどかです。
勤めて18年、健康食品と青汁とお茶の棚を任されてから10年ちょっと経ちました。

棚の担当をしていると、売上の数字は毎週見ます。
でも、それとは別に「あのお客さん、また同じ箱を買いに来たな」という記憶も溜まっていきます。

この2つは、意外なほど重なりません。
今日はそのことだけ書きます。

「売れる」はテレビで決まる

健康食品の棚で急に売れ始める商品は、だいたい前の晩にテレビか動画で紹介されたものです。
朝から「あれ、ありますか」と聞かれて、昼までに棚が空きます。

ただ、その箱を2箱目、3箱目と買いに来る人は少ないのです。
1か月後には、棚の前でパッケージを裏返して眺めている人のほうが多くなります。

売れる商品は、話題で決まります。
続く商品は、その人の毎日に収まるかどうかで決まります。

続く人が見ているのは、味と値段と手間

青汁の話に絞ります。
調査会社のマイボイスコムが2026年8月に約1万1千人に行った青汁に関する調査では、買うときに重視する点は飲みやすさが64.4%、味が53.5%、価格が45.3%でした。
一方で、利用者のうち「ほとんど毎日」飲んでいる人は23.3%にとどまります。

自由回答には「粉末を溶かして飲んでいたが、面倒でやめた」という48歳男性の声がありました。
店頭で聞く声とほとんど同じです。

続く人は、栄養成分の細かい数字をあまり見ていません。
朝、コップに入れて飲めるか。
苦くないか。
1杯いくらか。
見ているのは、その3つです。

私が「続けたい人」に勧めるのは、原材料欄が短いもの

売る側の本音を言うと、成分をたくさん足した商品のほうが説明はしやすいです。
乳酸菌、酵素、ビタミン、と並べれば、それだけで会話が持ちます。

でも、3か月後にまた買いに来る人が多いのは、原材料欄が1行で終わるような商品です。
飽きにくく、味が毎日同じで、値段も落ち着いているからです。

たとえば日本薬健の「金の青汁 純国産大麦若葉100%粉末」は、原材料名が「大麦若葉粉末(九州産)」だけです。
香料も着色料も使っていないと公式サイトに書かれています。
うちの店でも、この箱を何年も同じ間隔で買いに来るお客さんが何人かいます。

同じメーカーの中でも、ケール、25種の野菜、抹茶入り、ペットボトルと種類はかなり分かれています。
どれが自分の朝に収まるかは、日本薬健の青汁を含む商品一覧で「野菜不足」「ノンカフェイン」といった目的から絞り込めます。
迷ったら、まずいちばん原材料が少ないものから試すのが、私の店頭での答えです。

青汁は野菜の代わりではない、と店頭では必ず言います

もうひとつ、レジで必ず添える言葉があります。
「これを飲んでも、野菜は食べてくださいね」です。

厚生労働省の令和6年国民健康・栄養調査では、20歳以上の野菜摂取量は1日平均258.7gでした。
目標の350gには、およそ90g足りません。

この差を粉末で埋めたい気持ちは分かります。
ただ農林水産省の野菜・果物をとろう!というページには、補助食品では食べ物が持つ多様な栄養素とその相互作用まで取り入れることはできない、とはっきり書かれています。

私の父は20年以上、朝の一杯を続けています。
それでも夕飯の野菜は減らしていません。
続いている人は、だいたいそういう使い方をしています。

まとめ

棚を10年見てきて言えるのは、この4つです。

  • 話題で売れた商品は、たいてい2箱目が続かない
  • 続く人は味と値段と手間しか見ていない
  • 迷ったら原材料欄が短いものから試す
  • 青汁は野菜の代わりではなく、足りない日の補いにする

売れている棚と、続いている棚は別物です。
選ぶときは、後者の目で見てください。

最終更新日 2026年9月6日 by ichikk